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Text File  |  1998-02-04  |  7KB  |  151 lines

  1. ●はじめに
  2.  Jamming SP は、あくまでも実用的な用途ではなく、「ちょっと Apple のス
  3. ピーチ技術で遊んでみたい」という目的で作られたソフトです。動作させるた
  4. めに必要なシステムソフトウェアなどの巨大なファイルを苦労してダウンロー
  5. ドしても得られるものはあまり多くないかもしれません。また、もしこれを使
  6. うためにわざわざマイクを買ったりしようと思う方がいるとしたら、多分やめ
  7. ておいた方がよいと思います。これらのことをあらかじめお断りしておきます。
  8.  また、Jamming はシェアウェアですが、スピーチ関連の機能はあくまで「お
  9. まけ」です。感想やバグレポートなどは歓迎しますが、スピーチ関連の機能の
  10. 改善・向上などは期待しないで下さい(Jamming 本体の作業が暇な時にたまに
  11. いじっている程度なので)。
  12.  それから、スピーチに対応した事で混入したバグもあるかもしれません。電
  13. 子辞書検索ソフトとしての実用的な用途には必ず Jamming PPC の方を使って下
  14. さい。
  15.  
  16. ●必要な構成(必要な条件がそろわないと動作しません。)
  17. ・PowerMac(Speech Recognition が PPC のみなので 68K 版はありません)
  18. ・System 7.5.5 以降
  19. ・PlainTalk Microphone
  20. ・Speech Manager 1.4 以降
  21. ・Speech Recognition 1.5 以降(バージョンが古いと動きません、b版も不可)
  22. ・英語の検索語を持つ電子ブックかEPWING(英和辞典など)
  23.  
  24. ●必要なシステムソフトウェアの入手方法
  25.  Jamming SP を動作させるためには、
  26.  
  27. ・Speech Manager 1.4 以降
  28. ・Speech Recognition 1.5 以降
  29.  
  30. がシステムにインストールされている必要があります。これらの最新版は
  31.  
  32.       http://www.speech.apple.com/speech/ptk/
  33.  
  34. で入手できます。他にも入手方法があるかもしれませんが、手に入れたものの
  35. バージョンが上記の条件と合っているかを必ず確認して下さい。その上で、各
  36. マネージャーの説明に従ってインストールを行って下さい。また、Sound コン
  37. トロールパネルでマイクを入力装置に指定するなどのセットアップも必要です。
  38. これらが終わったら、全ての準備が正しく行われたかを確認して下さい。確認
  39. の方法は、
  40.  
  41. ・スピーチマネージャー:SimpleText で英文を読み上げさせてみる。
  42. ・スピーチ・リコグニション:Speakable Items を試してみる。
  43.  
  44. などがよいと思います。これらに成功したら、いよいよ Jamming SP を起動し
  45. て下さい。起動時にメッセージが流れ、メニューバーに他の Jamming にはない
  46. Speech というメニューが出るはずです。
  47.  
  48. ●Jamming の Speech メニュー
  49. ○Speak Word(Dic Window)
  50.  これがオンになっていると辞書ウィンドウでの検索時に検索語を読み上げま
  51. す。また、クイズモードでは「単語→本文」では出題時、その他の出題では回
  52. 答時に指定された語を読み上げます
  53.  
  54. ○Speech Recognition
  55.  これをオンにすると聞き取り機能が働きます。Speech コントロールパネルの
  56. 設定がデフォルトの場合、Esc を押しながら、アルファベットかナンバー(Zero
  57. 〜Nine)を発音します。うまく認識されれば、その文字が入力フィールドに入っ
  58. て行きます。また、スペル以外には以下の語に反応します。
  59.      OK    :ウィンドのOKボタンを押すのと同じです。
  60.      Back :delete キーを押すのと同じです。
  61.      Erase :入力フィールドをクリアします。
  62.  
  63. ○Alphabet1〜3
  64.  Speech Recognition は事前に登録された言葉のセットの中からユーザーが発
  65. 音した言葉に近いものを探す仕組みになっています。このメニューではそのセッ
  66. トを選択します。セットの内容は以下のようになっています。
  67.  
  68. 1:普通にアルファベットかナンバーを発音します。しかし、認識率はとても低
  69.   いです。私はこの状態では a g l p w をほとんど認識させることができませ
  70.   んでした。
  71. 2:1で認識されなかった音を以下のように置き換えてあります。私はこの設
  72.   定で何とか全ての文字を認識させることができました(認識率6割程度)。
  73.      a:aa(エイエイと発音)
  74.      g:golf
  75.      l:load
  76.      p:peace
  77.      w:wonder
  78. 3:ユーザーが自由に単語への置き換えなどを試すためについています。デフォ
  79.   ルトでは1と同じになっていますが、ResEdit で Jamming SP の STR# 130 
  80.   を開いて編集できます。
  81.  
  82. ○Speak Word(Text Window)
  83.  これがオンになっているとテキストウィンドウでの単語のダブルクリック・
  84. リストの語の選択の度にその語を読み上げて該当する辞書の本文を辞書ウィン
  85. ドウに表示します。なお、リストを矢印キーでスクロールさせる場合、連続し
  86. て発音されて聞き苦しい場合がありますが、その時はコントロールキーを押し
  87. ていると発音が抑制されます。
  88.  
  89. ○Speak Text
  90.  テキストウィンドウに表示されているテキストを読み上げます。選択範囲を
  91. 読ませたい場合はコマンドキーを押しながら選択して下さい。途中でのキャン
  92. セルは ESC か コマンド+ピリオドです。
  93.  
  94. ●スピーチリコグニションでうまく認識させるためには
  95. ・Sound コントロール・パネルでボリュームを上げておくと認識率が上がるよう
  96.  な気がします(不確か)。
  97. ・子音をきちんと発音する。
  98. ・ひたすら練習。
  99. ・それでも認識されない文字は語に置き換える。
  100.  
  101. ●STR# 130 の編集の仕方(128・129も同様です)
  102.  もっとも大事なことは語の順番です。これは以下のような規則になってます。
  103.      1:ウィンドのOKボタンに対応
  104.      2:delete キーに対応
  105.      3:入力フィールドをクリア
  106.   4〜29:アルファベットのA〜Z
  107.  30〜39:数字の0〜9
  108.  この順番に従っていればどのような語を入力しても構いません。例えば apple
  109. と発音して a を認識させるためには4番目の文字列を apple に変えればいい
  110. わけです。ただし、空欄は作ってはいけません。また、40番以降に文字列を
  111. 加えても認識されません。
  112.  
  113. ●履歴
  114. ver 1.2(98/1/31)
  115. ・クイズ機能時の読み上げ機能を追加(少し実用性が向上?)。
  116.  
  117. ver 1.1(97/4/6)
  118. ・テキストウィンドウが加わったので Speak Word(Text Window) と Speak Text
  119.  をつけた。これにともない、以前 Speech Manager と呼んでいたコマンドは 
  120.  Speak Word(Dic Window) に名称を変更(機能は同じ)。
  121. ・スピーチリコグニションのトリガーに ESC を割り当てている場合、OKと発
  122.  音語すぐに離さないと検索がキャンセルされてしまう問題に対処。SP版では
  123.  検索のキャンセルはコマンド+ピリオドのみにした。
  124.  
  125. ver 1.0.1(96/11/20)
  126. ・終了時に潜んでいたバグをフィクス
  127.  
  128. ver 1.0
  129. ・最初のリリース(96/10/5)
  130.  
  131. ●後記
  132.  Jamming を作成中からずっと Speech Recognition には対応したいと思って
  133. いました。知りたい言葉を言うとMacが自動で調べてくれるとしたら、 
  134. Knowledge Navigator とまでは行かなくても Knowledge Assistant くらいの雰
  135. 囲気は楽しめるのではないかと思ったからです。でも、残念ながら現在の認識
  136. 率では実用には遠く、Speech 技術で遊ぶ「おもちゃ」にしかなりませんでした
  137. (でも作者としてはこの「おもちゃ」は結構気に入っています)。そもそも現
  138. 在のスピーチ・リコグニションは、音の違いの明瞭な言葉のセットを聞き分け
  139. る仕様になっているので、アルファベットを聞き分けさせようとすることには
  140. ちょっと無理があったみたいです。でも、実際に使ってみて b と v を聞き分
  141. けてくれたのには感動しました。やっぱり、新しい技術というのは何かわくわ
  142. くさせてくれます。Apple のスピーチ技術の今後のさらなる進歩に期待したい
  143. ものです。
  144.  と思っていたら最近の大規模なリストラで PlainTalk は「メンテナンスモー
  145. ド」になってしまったようでとても残念です。しかし、Apple の財務状況が良
  146. くなったらまた復活するなどのうわさもあり、私としてはこのうわさが現実に
  147. なることを切に願っています。
  148.  
  149.  
  150.                          1998.2.3 今井あさと
  151.